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核融合工学部
JAERI-Review 2004-004, 96 Pages, 2004/03
IEA核融合材料研究実施協定付属書II(核融合材料の照射損傷に関する実験)に基づく第13回IEAセラミックス絶縁材の照射効果に関するワークショップは第11回核融合材料国際会議(ICFRM)のサテライト会合として2003年12月9日に京都で開催された。10か国,44名(日本26人,スペイン5人,ベルギー3人,米国3人,ロシア2人,オーストリア,ギリシャ,イタリア,ルーマニア,英国各1人)の参加者があり、本会議の組織委員で議長であるCIEMAT研究所のE.R. Hodgson博士の開催の辞の後、最新の実験結果である、照射誘起微視的構造変化における電場の効果,照射によるケーブルの寄生電流と寄生電圧,光学材料,IFMIF関連課題,基礎的問題について議論した。その結果、照射誘起絶縁劣化の原因として-アルミナとアルミニウムコロイドの生成を確認する等の成果が得られた。
加藤 輝雄
低温工学, 30(11), p.510 - 518, 1995/00
核融合炉用超電導磁石の絶縁材料は熱絶縁と電気絶縁に分けられ、加工性の良い有機材料が有望視される。磁石はプラズマで発生する高速中性子と線の照射を受けるが、絶縁材料の照射劣化は核融合炉システムの致命的な損傷になるため、耐照射性の良好な材料を選択しなければならない。本実験は5Kで原子炉照射後、温度を上げることなく電気的及び機械的試験を行った。照射効果は電気的特性よりも機械的特性に大きく影響することが分かった。実験に用いた材料は28種類であり、プラスチックフィルム、樹脂のみ、繊維強化樹脂(FRP)で分類し、5Kでの原子炉照射効果について総括した。本実験で機械強度が明らかに増加した材料がいくつか見られたが、この現象は極低温照射では考えにくいことである。この発現理由に関して、編集委員会のすすめから、「サロン」欄に仮説を挙げて問題提起として同時投稿した。
福谷 耕司*; 小沢 国夫; 寺沢 倫孝*; 中東 重雄*
JAERI-M 86-127, 76 Pages, 1986/08
核融合炉においては各種絶縁材料が使用されるがその環境は従来の分裂炉に比較して高線量場であり、温度も極低温から高温までの広範囲にわたる。このため絶縁材料の放射線効果に関しては高速中性子の照射効果の視点に立った現象の解明が目標として採える必要が有る。本報告では、絶縁材料の中からセラミックを中心とする無機絶縁材料を採り上げ、それらの放射線効果について文献データの収集を行なった。収集したデータは、物理的特性で分類した。対象とした特性は、寸法安定性(スエリング)、機械的特性、熱的特性、電気的特性等である。各特性毎に更にセラミックスの種類で分類した。図表データは、データシート化した。また、各特性毎に、データの特徴と現状について簡単に纏めた。
加藤 輝雄; 高村 三郎
低温工学, 18(4), p.193 - 199, 1983/00
核融合炉の超電導磁石用絶縁材料の照射効果を知るため、各種有機絶縁材料を原子炉で極低温照射し、曲げ試験と衝撃試験を行った。本実験にはポソイミド樹脂-ガラスクロス積層材(JIL-G1000)、エポキシ樹脂-ガラスクロス積層材(G-10CR、G-11CR)、ガラス繊維およびカーボン繊維の一方向強化エポキシ樹脂などの材料を用いた。その結果、照射量が110radのときの曲げ強さがG-10CRが約70%、G-11CRが約25%減少した。TIL-G1000は照射によって劣化がなく耐照射性が良好である。他のガラス繊維強化エポキシ樹脂の強度は照射によって僅かに増加した。照射による衝撃値の変化は曲げ強さの変化と類似している。
高村 三郎; 加藤 輝雄
Journal of Nuclear Materials, 103-104, p.729 - 734, 1981/00
超電導磁石材料(核融合炉用)は強大な電磁力の作用下でしかも極低温で炉心からの中性子、線の放射線を受ける。ここでは、磁石材料の構造材である超電導体、安定材、絶縁材をLHTLで極低温照射し、昇温することなく機械的、電気的特性を調べた結果を報告する。超電導体はNbSn,NbTiの臨界電流の極低温照射後の変化、Cu,Alの安定材の電気抵抗変化、有機絶縁材料についてはエポキシ樹脂、繊維強化樹脂、スイラー、ポリイミドの引張、圧縮、曲げ強さの極低温照射による変化、電気特性の変化についての結果を述べる。
加藤 輝雄; 高村 三郎
低温工学, 15(3), p.173 - 178, 1980/00
核融合炉に超伝導磁石が利用された場合、磁石に速中性子と線が照射される。この場合、磁石の構成材料である絶縁材料の照射効果が問題となる。そこで今回は、有機絶縁材料であるポリイミド,エポキシ樹脂,繊維強化樹脂(FRP)を約5Kで原子炉照射を行ない、昇温することなく液体ヘリウムで機械的試験を行った。この温度ではすべて脆性破壊を示した。ポリイミド,CFRP(カーボン繊維強化)ではセレーションが見られた。エポキシ樹脂では1.110radの吸収線量で破断応力が顕著に減少した。GFRP(ガラス繊維強化),CFRP,ポリイミドの機械的性質も僅かに減少したが、この線量内では良好な耐照射性を持つことがわかった。
加藤 輝雄; 高村 三郎
低温工学, 14(4), p.178 - 183, 1979/00
核融合炉用超電導磁石の構成材料としての有機絶縁材料を約5Kで原子炉照射した後、液体窒素温度でその機械的性質に対する照射効果を調べた。線,および速中性子による吸収線量が1.110radでエポキシ樹脂の破断応力や降伏応力は顕著に減少した。また、この照射量でFRP(繊維強化樹脂)とポリイミド系の高分子は良好な耐照射性を示した。
加藤 輝雄; 高村 三郎
低温工学, 13(5), p.243 - 249, 1978/00
核融合炉用超電導磁石の有機絶縁材料を約5Kで速中性子照射し、その機械的性質を液体窒素温度で測定した。速中性子照射量1.710nvt(線が4.510R)でポリプロピレンは粉々になり、ポリカーボネート、マイラーも劣化が著しく引張試験が不可能であった。ノーメックスの破断応力は照射前に比べて減少した。カプトンはこの照射量までは良好な性質を示したが速中性子3.310nvt(線が8.810R)の照射で破断応力が僅かに減少した。